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会長挨拶


会 長 古 谷 誠 章

『三つのタスクフォースの成果の実現に向けて』


新年明けましておめでとうございます。
昨年はさまざまな活動が再開され、日本建築士会連合会の全国大会も静岡のグランシップを会場に開催されました。3,000人を超える多くの会員、関係者が一堂に会し、大いに交流を深めることができました。東京建築士会の総会も懇親会を含めて久しぶりに対面で開くことができ、日常が少しずつ取り戻されつつあることを実感します。関連のある友好団体との交流も盛んになり、各所で私たちを取り巻く諸問題について意見を交わすこともできました。しかしながら、いまだにインフルエンザを含めて感染症の不安が残る中、さらに11月になっても日中の気温の高い日が続くなど尋常ならぬ気候の中で、また新しい年を迎えることとなりました。今年一年の会員諸兄姉のご活躍をお祈りするとともに、一層のご健勝を心より祈念したいと思います。本年も是非、本会活動への積極的なご参加と、ご支援を賜りたいと思います。
さて昨年6月の総会において再び本会の会長を拝命することとなりました。あわせて何名かの新しい副会長、理事の皆様をお迎えして、正副会長会、総務・企画委員会、定例理事会などを通して会務にご尽力いただいております。そうした中から、今年の事業計画の重点施策である「再起動から新たな確立」を目指すために、三つのタスクフォース(会員制度・支部のあり方・CPD)からの提言に基づき、これを強力に推し進めるための具体的な行動に移ろうとの考え方が示されました。
特に会員制度については、会員委員会によって賛助会員の活発な交流の場となるよう「賛助会」の立ち上げが発議されており、すでにその設立に向けた意見交換会が開催されたところです。建築士の母数が減少傾向にある中で、会員相互、ないしは賛助会員と会員の日常的な交流の機会を創出していくことはとても重要な試みであると考えています。また、資格の新規取得者や新規入会者、あるいは資格取得以前の学生との接点を増やすことも有効であると考えますので、建築士の入会促進に向けて、今後の皆様のご協力やさまざまな創意工夫を大いに期待したいと思います。
また支部のあり方についても、今後さらに一歩踏み込んだアクションが必要と考えており、特に23区内の地域については、支部の空白をなくして地域の会員相互の日常的な交流協働の他、非常時などに際して都内全域にわたり迅速で緊密な連携が図れるよう、具体策を練っていきたいと思います。
本年も引き続き、連合会レベルや関東ブロックでの全国交流に加えて、首都圏の建築士会が手を携えて取り組む大都市特有の問題や、首都圏直下型地震を始めとする大都市圏特有の災害に対する備え、サステイナブル都市の推進などをめぐる活動、また目前に迫った2025年法改正へのきめ細やかな対応など、さらに東京建築士会の活動を活発化して行きたいと思います。会を挙げての取り組みにぜひ皆様のお力をお貸しください。

令和6年1月
東京建築士会 会長 古谷 誠章


[ 略 歴 ]

1955年 東京生まれ/1980年 早稲田大学大学院理工学研究科修了/1980~1986年 早稲田大学理工学部助手/1986~1994年 近畿大学工学部講師/1994年 早稲田大学理工学部(現創造理工学部)助教授、NASCA設立/1997年~ 同教授

[ 教 職 ]

上記の他、日本女子大学、北海道大学、東京工業大学、東北大学他で非常勤講師、韓国慶熙大学校建築専門大学院招聘教授、中国湖南大学客座教授、中国昆明理工大学客座教授、中国青島理工大学顧問教授他

[ 主な著書 ]

「マリオボッタ 構想と構築」(訳)、「Shuffled 古谷誠章の建築ノート」、「がらんどう」、「僕らはこうして建築家になった」、「マドの思想」、「モダニズムの地平 12 組 13 人の建築家との対話」、「建築家っておもしろい」、「NOBUAKI FURUYA 179 WORKS」

[ 受賞歴 ]

1991 年 第8回吉岡賞「狐ヶ城の家」/1999 年 日本建築家協会新人賞「詩とメルヘン絵本館」/2007 年 日本建築学会賞(作品)、日本建築家協会賞、BCS 賞「茅野市民館」/2011 年 日本藝術院賞「茅野市民館」/2012 年 日本図書館協会建築賞・ AACA 賞「小布施町立図書館まちとしょテラソ」/2012 年 BELCA 賞「早稲田大学會津八一記念博物館(改修)」/2014 年 日本建築大賞「実践学園中学・高等学校自由学習館」/2015 年 日本建築学会賞(業績)「『失われた街』模型復元プロジェクト」/2016 年 BCS 賞「日清食品グローバル・イノベーション・センター the WAVE」/2017 年 福島建築文化賞準賞「喜多方市新本庁舎」/2017 年 千葉県建築文化賞「鋸南町都市交流施設・道の駅保田小学校」/2017 年 中部建築賞「静岡理工科大学建築学科棟えんつりー」/2018 年 高知県木の文化賞「宿毛まちのえき林邸」/2000~2017 年 日本建築学会作品選奨(計 11 作品)

[ 団体関係 ]

2001 年~現在  UNESCO-UIA(国際建築家連合)・ 建築教育認定評議会第Ⅳ地域代表副議長/2004 年~現在  UIA(国際建築家連合)・ Education Commission 委員/2005~2006 年 ARCASIA(アジア地域建築家協議会)副議長/2005~2007 年 日本建築家協会副会長/2005~2011 年 UIA2011 東京大会日本組織委員会学術部会長/2008~2011 年 UIA2011 東京大会(第 24 回世界建築会議)・ UIA Scientific Committee 議長/2013~2015 年 日本建築学会副会長/2016~2018 年 日本建築士会連合会学術理事/2017~2019 年 日本建築学会第 55 代会長

[ 主な作品 ]

「香北町立やなせたかし記念館」、「早稲田大学會津八一記念博物館(改修)」、「ジグハウス/ザグハウス」、「近藤内科病院」、「茅野市民館」、「高崎市立桜山小学校」、「熊本市医師会館・看護専門学校」、「小布施町立図書館まちとしょテラソ」、「実践学園中学・高等学校自由学習館」、「山鹿市立鹿北小学校」、「喜多方市新本庁舎」、「T 博士の家」、「静岡理工科大学建築学科棟」、「沼田町暮らしの安心センター」、「道の駅たのはた思惟の風」、「パルテノン多摩 大規模改修」、「阿久根市民交流センター 風テラスあくね」他