会長挨拶


会 長 佐々木 龍 郎
『東京建築士会2052に向けて』
このたび、古谷誠章さんの後任として東京建築士会の会長という重責を担うことになりました。これまで中村勉さん、近角真一さん、そして古谷さんと3人の会長の元で理事を務め、特に古谷さんの元では会長補佐という立場で、東京建築士会のこれからについて、考える機会をいただきました。
東京建築士会は「建築士の業務の適正化と技術の向上を心掛け、品位の保持を図るとともに、建築士制度の普及と改善進歩に努め、もって建築文化の進展に貢献するため」に1952年に設立されました。それから73年、東京の建築、都市を取り巻く状況は大きく変化しています。昨今の建設コストの高騰や、特に施工関連の人材不足など、建築を取り巻く環境は穏やかではありません。
しかしながら建築士の関与しない建築はほぼないという点で、建築士の役割と責任は更に重要になります。改めて建築士の活躍に貢献する有用な情報・機会などを提供すべく、事業に取り組んでいきます。古谷さんのリードのもと、2025年4月の会費見直しにより財政基盤を強化し、東京建築士会アプリをリリースしました。今後、デジタルプラットフォームの構築・運用をはじめとした会員向けの積極的なサービス拡充に努め、そのことを通して仲間の輪を拡げ、本会をより持続可能な組織へと更新し、建築・都市に携わる方々を支援していきます。
1.なかまを増やす
法改正を受けて今後更なる活躍が期待される二級建築士の支援、賛助会員(パートナーシップ会員)との連携をはかります。準会員(フレンドシップ会員)については、まちづくりやインテリアなどの他領域の組織との連携や、社会に対する問題意識を持って活動する学生グループなどとの交流を通して、活性化していきます。
2.地域とつながる
毎年のように起きる豪雨などの自然災害や、夏の異常な気温上昇による健康被害などに対して、建築士の知見を活かして地域の方々をサポートしていくためには、平時より地域と適切につながっていくことが肝要であり、そのプラットフォームとなり得る支部について、既に活動している支部の支援や、新しい支部の立ち上げに取り組みます。
3.アップデートに取り組む
4月の建築基準法改正により省エネ、構造、改修などに関する更新が多岐にわたり、かつ複雑です。一方で建設費の高騰により既存建築ストック活用やDIYが発注者側の選択肢になり、その際の安全性確保などに建築士の知見が活きます。そのような社会状況に反応するためのスキルアッププログラムの充実をはかり、建築士のアップデートを支援します。
世界も、日本も、東京も2050年に向けてビジョンを打ち出しています。東京建築士会も2052年に創立100年の節目を迎えますが、その時に建築士、建築士会がいかに社会に貢献しているのか、この数年のアクションが大事になると考えています。「これからどうなる建築士」、その可能性を、会員の皆さんと共に走りながら考えていきたいと思います。よろしくお願いします。
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令和7年6月
東京建築士会 会長 佐々木 龍郎