テーマ
首都高速道路が作り出す空間
本コンペティションは東京建築士会が建築士と社会全体との接触面を拡張することによって、建築士の持つ知見と技術をさらに多様な場面で活用していただくきっかけ作リにしたいと考え、豊島区様のご協力のもとに企画し主催するものです。今回のテーマは、都市の空間ストックをどう活用したらよいのかという普遍的な課題に対して、東京に固有の場である「首都高速道路が作リ出す空間」の活用法に焦点を当ててみました。
都会の喧騒のすぐその傍らにあって、独特の空間を作り出している首都高速道路ですが、開通当初はSF小説の都市が現実になったような捉えられ方もしましたし、その下の街路空間は天候に左右されない安定した空間であることに加え、夜間には特別な照明効果が期待できることも考えられます。このような空間の特性を生かし、新たな都市活動を生み出す空間として、その造り方と活用方法を提案していただきたいと思います。
場所は東京の副都心のひとつである池袋駅の東側を選びました。この近傍に解決を待つ課題が集積していると考えたからです。現状では単なる道路下である場所のほかに、道路下に店鋪の建物が連続しているという独特の街並みがある場所もあります。単なるアイデアコンペに留まらない現実的な解決策を期待しておりますので、少々むつかしい条件付けをしておりますが、それゆえ場合によっては実現する可能性もあります。
このコンペティションに多数の建築士の方が参加してくださることを願うのはもちろんですが、様々な個性の組み合わせで提案してくださることによって、一般の都民の方々に建築土たちは都市の問題への多様な視点と発想を持っていることを知っていただくきっかけになることを期待しております。