ニュース

NEWS
ニュース

【本 会】法規メルマガ11月号:小田圭吾法規委員長の法規コラムを掲載しました。

2017年11月28日

【東京建築士会・法規委員長・小田圭吾の辛くち法規チェック】
当会が配信しているメールマガジン「法規メルマガ11月号」(11/28配信分)の法規コラムを掲載いたします。

建築基準法における設備に関する規定
建築基準法において設備に関する規定は法第19条(敷地の衛生及び安全)第3項に敷地の雨水及び汚水の排出施設としての規定、法第28条(居室の採光及び換気)第1項で採光を第2項第3項で換気を規定、法第28条の2(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)、法第31条(便所)、法第32条(電気設備)、法第33条(避雷設備)、法第34条(昇降機)、法第35条(特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準)で特殊建築物と無窓居室と延床面積1,000m2超の建築物について政令で規定するとされ、加えて法第36条(この章〈法第19条から第41条〉の規定を実施し、又は補足するため必
要な技術的基準)で包括的に消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備や昇降機設備等に関する技術的基準を政令(令第19条から第129条の15)で定めることとしています。

しかしながら、電気設備に関しては経済産業省の電気事業法ならびに関連法、消火設備に関しては総務省の消防法等に細かい技術基準が定められたため政令は交付されていません。空調設備に関しては最低基準であるため、法第28条(居室の採光及び換気)第2項第3項に基づき令第20条の2(換気設備の技術的基準)と令第20条の3(火を使用する室に設けなければならない換気設備等)ならびに令第129条の2の6(換気設備)が定められているだけです。法第28条の2(石綿その他の物質の飛散又は発散に対する衛生上の措置)に関しては、令第20条の4から9までに技術的基準が定められています。
避難設備関係では令第126条の2、3(排煙設備の設置と構造)や令第126条の4、5(非常用の照明装置の設置と構造)、令第126条の6、7(非常用の進入口の設置と構造)が定められているものの照明に関する規定は非常用照明以外の規定が無く設計者に委ねられています。これら以外は、令第129条の3から13の3までの(昇降機関係規定)、令第129条の14、15の(避雷設備の設置と構造)などが有ります。
意外と認識されていないものに令第129条の2の5(給水、排水その他の配管設備の設置及び構造)の規定が有り、第1項は配管設備全般(給湯設備ガス配管設備含む)の設置と構造、第2項は飲料水の配管設備の設置と構造、第3項が排水の配管設備の設置と構造となっていて、告示で細かく技術基準が定められています。例えば排水に関しては排水管、排水槽、排水トラップ、阻集器(グリストラップやガソリントラップなど)、通気管、排水再利用配管設備など細かく規定されています。例を挙げると排水槽は「吸い込みピット」(釜場など)に対して1/15以上1/10以下の勾配を付けることや臭気の隔離、点検用マンホールならびに通気などの規定が有ります。昨年の地下湧水が地下空間に滞留している建築物がTVで放映された件などは、第3項第1号で「排出すべき雨水又は汚水に応じ有効な容量、傾斜及び材質を有すること」、第3号で「配管設備の端末は、公共下水道、都市下水路その他の排水施設に排水上有効に連結すること」に違反しているように思えます。通常地下水位以下にある地階の外壁は二重壁として、地下湧水が溢れた場合は雑排水槽などに連結し、ポンプで公共下水に排水するように設計されていることと比べると違和感が有ります。

もちろん建築基準法は網羅的に最低基準を規定しているとはいえ、不十分な部分や規定しきれていない部分も多々あります。法第18条(計画通知)による確認済証や検査済証が、法第6条(確認申請)の制度と同等と考えていた小生などは、前述のTVで放映された計画通知による建築物に確認済証や検査済証が下りたことに違和感を覚えます。地下空間に釜場や排水ピットならびに公共下水道に排水可能な排水ポンプの設置が有り、電源が入っていなかっただけであれば設計者や建築主事に責任が有りませんが、設計図書に記載が無いとしたら法不適合となるのではないでしょうか。地下湧水の排水経路の無い建築物は、カビの発生など健康に害が及ぶ恐れがあり、適法ではないと思われます。

計画通知制度が制度疲労を起こしてはいないかと危惧するのは小生だけなのでしょうか。
見落としが生じないような審査項目チェックリストなど審査指針に付属させ再発防止策を講じる必要があるのではないかと思います。法律が何もかもを規定する必要はないとは思いますが、設備設計に関しては、法律外で設計指針やガイドラインなどを設計業界としても検討すべきことは多いのではないかと感じます。特に地球温暖化による異常気象を前提にすると、雨水排水を含む設備設計の対応は喫緊の課題となると考えるべきでしょう。公共の道路などの対策が遅れることを考えると、建物単位での雨水調整槽や建築物出入口での雨水侵入対策などやオーバーフロー対策も必要となります。事故が起き
るより前に設計業界から対策を講じていくことが社会的責務なのではないかと思います。

■法規メルマガについての詳細はこちら

記事一覧へ