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法規メルマガ9月号:小田圭吾法規委員長の法規コラムを掲載しました。

2017年09月11日

【東京建築士会・法規委員長・小田圭吾の辛くち法規チェック】
当会が配信しているメールマガジン「法規メルマガ9月号」(9/11配信分)の法規コラムを掲載いたします。

改正住宅セーフティネット法
政府は9月5日「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」と、同法の施行のために必要な規定を整備する「独立行政法人住宅金融支援機構法施行令」および「金融商品の販売等に関する法律施行令の一部を改正する政令」を閣議決定しました。「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律」(以下改正住宅セーフティネット法という)は本年4月26日に公布され、6か月以内施行とされていましたが施行期日は10月25日とされました。

改正前の住宅セーフティネット法は平成8年の住生活基本法に基づき平成9年7月6日に公布・施行された法律で、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅供給促進政策として、公的賃貸住宅の供給促進と民間賃貸住宅への円滑な入居促進を柱として、特に民間賃貸住宅については地方公共団体などが居住支援協議会を通じて実施することとなっていました。

今回の改正住宅セーフティネット法の骨子は、平成32年までに従来の登録約5万戸に加えて17万5千戸(5万戸/年)の住宅確保要配慮者向け空屋・空室登録をするという目標で、登録住宅の改修や入居家賃支援(最大4万円/月)と家賃債務保証補助(最大6万円/戸)などの措置の拡充、共同居住型住宅(シェアハウス)の改修メニュー創設、住宅確保要配慮者に外国人世帯や外国人留学生などを政令で追加、住宅金融支援機構融資対象化と同機構が行う家賃債務保証保険契約を金融商品取引法から除外するなどとなっています。また「住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅」の登録制度や居住支援法人(NPO等)制度の創設も目玉です。

今回の改正は、昨今のベビーブームの世代の高齢化に伴う老人ホームなどへの移住や親の死亡による空家の増加に対して、子育て世帯や外国人世帯向けならびに低額所得者向けの低家賃賃貸住宅や高齢者グループホームならびに外国人留学生(飲食店やコンビニの主力労働者)シェアハウスのニーズがマッチングしないことへの施策とも言えます。低価格の賃貸住宅は築年数が古いものが多く、耐震改修や入居に際しての改修費がかさむことと、特に低額所得者や外国人に賃貸することの家主の不安は問題となっていましたのでこれらに対応しようというものです。

従来の施策の中でも高齢者住宅財団の保証付きの移住・住みかえ支援機構による3年単位の定期借家契約によるサブリース制度はありましたが、改修費用の問題は残り、10年以上の定期借家契約を前提に改修工事費をサブリース側が負担する制度で補完されています。これらの制度ではテナントが空いてしまった場合でも85%の家賃保証があるなど高齢者(50歳以上)に安心を与える制度のようです。これらの制度も改正法に対応していくべきものと考えられます。また、民間の住宅サブリース事業者の参入も促すとサービス良化につながると思います。

宅地建物取引業法改正による建築士に限られた既存住宅状況調査資格者制度も、これらの改修工事の認定に参加することで、建築士がまちづくりに貢献できたらと思います。建築士が参加することで防災や避難規定、耐震対応や省エネ対応等が図られ、より良い空家マッチングが進むはずです。もちろん公的資金で改修補助を行う訳ですから、違反建築物の多い木造密集地域などでは敷地共同化による耐火不燃建替えなどしか方法が無いことも有るとは思いますが、環状7号線から国道16号線の内側の駅徒歩10分圏などの利便性が高く敷地規模が100㎡以上の戸建てなどの空家が数多くありますので合法建築物の多い地域ではうまく進むと考えられます。

共同居住型(シェアハウス)は特殊建築物で建築基準法第87条の用途変更にあたりますので建築確認申請が必要となり(建築士法での資格要件記述は有りませんが)建築士の出番だと思います。施行日までには共同居住型の基準を含む政令や告示またはガイドラインなど詳細が開示されると思われ、注目してみていきたいと思います。どちらにしても今後の高齢化社会への対応としては待ったなしになって来ています。

参考通知
>新たな住宅セーフティネット制度①(PDF)
>新たな住宅セーフティネット制度②(PDF)
>一般社団法人 移住・住みかえ支援機構〔JTI〕(PDF)

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