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法規メルマガ5月号:小田圭吾法規委員長の法規コラムを掲載しました。

2017年05月16日

【東京建築士会・法規委員長・小田圭吾の辛くち法規チェック】
当会が配信しているメールマガジン「法規メルマガ5月号」(5/16配信分)の法規コラムを掲載いたします。

建築物の床面積
建築基準法では「床面積」の定義は建築基準法施行令第2条(面積、高さ等の算定方法)第1項第3号に「建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。」と原則論のみが記載され、特定行政庁ごとに定義に差異が生じていたものを、通達としては昭和61年建設省住指発第115号により、昭和61年8月1日以降は統一見解が取られてきました。この通達は現在技術的助言として有効であり、ピロティやポーチ、バルコニー・ベランダや解放廊下、エレベータシャフトやパイプシャフト、出窓ならびに機械式駐車1台15㎡などが記載されています。この通達には、例外的な考え方として、解放廊下やバルコニーなどで外部からの水平距離が2mを超える部分を床面積に算入するという見做し床面積が規定されています。
この通達だけでは判明しないものとして「階段」が有り、日本建築行政会議により、階段及び踊り場等は床面積の算定上は設置された上階の床面積に算入し、一回転以上回っている場合でも重複算入はせず、最下階の床は屋内的用途に供するかどうかに関係なくその階に算入することとされています。(日本建築行政会議2013年度版P060)また、「小屋裏物置やロフト」については床面積ならびに階と見做さない考え方が平成12年建設省住指発第682号第1の5仕様規定の明確化等について(2)に示されています。
また、「延べ面積」についても令第2条(面積、高さ等の算定方法)第1項第4号に「建築物の各階の床面積の合計による。」と定義されていますが、ただし書きで、建築基準法第52条の容積率の計算上不算入のものとして、第3項と合わせて自動車車庫等部分 五分の一、備蓄倉庫部分 五十分の一、蓄電池設置部分 五十分の一、自家発電設備設置部分 百分の一、貯水槽設置部分 百分の一の五つの用途が不算入限度とともに記載されています。また、法第52条第3項にはこれら以外にも、「建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ一メートル以下にあるものの住宅又は老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの( 以下この項において「老人ホーム等」という。)の用途に供する部分(第六項の政令で定める昇降機の昇降路の部分又は共同住宅の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分を除く。以下この項において同じ。)の床面積(当該床面積が当該建築物の住宅及び老人ホーム等の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一を超える場合においては、当該建築物の住宅及び老人ホーム等の用途に供する部分の床面積の合計の三分の一)は、算入しない」、第6項には「政令で定める昇降機の昇降路の部分又は共同住宅の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積は、算入しない」と二つの用途不算入が追記されています。
ストック建築物の有効活用を考える場合に、よく問題となる法第87条(用途の変更に対するこの法律の準用)と法第86条の7(既存の建築物に対する制限の緩和)であり、後者の「増築等」(増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替)において床面積の定義は重要となります。特に増築となると既存不適格として容認されてきた部分が原則遡及を受けるため、支障をきたすケースが増加します。一つの例として床面積の算定では、屋外の開放階段の増設は延べ面積の増加が無く、建築面積だけの増加でしかなくとも、増築として扱うべきという見解が有ります。このような場合に既存の建築物に現行法を原則遡及することはかなり支障を生じるため、何らかの手当てを法第86条の7に設けては如何かと感じるのは私だけでしょうか。階段の規定に関しては逆に上階の床面積に含まれているため、階段の位置を同一階で移動したりする模様替えや、新設しても床面積に増加が無いため、増築にならず基準時の適法維持が出来ていれば可能といった良い点もあります。今後のストック建築物の有効利用を促進するためには、こういった床面積の規定も含めて現行法での手当てを考えていく必要があるのではないかと感じます。読者の方からのご意見も有れば是非事務局までお寄せください。

参考資料
>「床面積の算定方法について」と「建築基準法の一部を改正する法律の施行について」の通知(PDF)

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